令和6年3月5日に開催された那須町議会定例会では、子供の権利、教育施策、就学援助及び高齢者対策に関する重要な議論が行われた。
一般質問では、田村 浪行議員が子供の権利に関する取組について言及し、特にこども基本法の施行の意義を述べた。田村議員は、町として基本法の理念を尊重し、子供達の権利保護に向けた施策を進める重要性を強調した。こども未来課長の大森 貴之氏は、「町でもこの意義と基本理念をもとに、子供達の意見を反映する支援制度を整備する」との考えを示した。
続いて、田村議員は公教育の再生をテーマに、新たな教育施策の必要性を訴えた。特に、アナザースクールを通じた子供の社会体験の重要性を述べ、さらなる施策の拡充を求めた。この提案に対し、生涯学習課長の島村 育男氏は、現行の体験的な学びを提供していることを報告しつつ、今後も検討を重ねる方針を示した。
また、就学援助に関しては小野 曜子議員が質問。町内の経済状況や貧困状態を反映して援助が必要な家庭への支援強化を求めた。特に卒業アルバムやクラブ活動費を援助対象に加えることの必要性を訴えたのに対し、学校教育課長の佐藤 英樹氏は「現在の支援対象項目の増加は考えてない」との立場を示した。ただし、支援が必要な家庭が存在することに議員と町も認識を共有した。
さらに、高齢者への健康支援についても議論が交わされた。特に、加齢性難聴への支援強化が求められた。小野議員は、補聴器購入への助成制度の必要性を訴え、町の独自支援の検討を促したが、福祉課長の木村 和夫氏は「国の制度化が望ましい」との見解を改めて示した。西日本や大都市で進む補助制度に対して、那須町も進行中の制度の有無を検証し必要に応じて対応していくことを求められた。
全体を通じて、議員たちは那須町の未来と住民の声を反映した施策の重要性を強調した。特に、子供や高齢者に対する支援の充実を図ることで、町の社会環境の改善を目指す姿勢が見受けられた。