令和元年9月3日、那須町議会の定例会において、一般質問が行われた。
議会では、ふるさと納税について特に注目が集まった。高橋輝議員は、この5年間における納税額の推移を示し、昨年度の寄附が大きく減少した理由を国の方針に求めた。「那須町の寄付金は減少している。どのような運用を行っているのか」と問いかけた。大沼和彦企画財政課長は、職員が営業活動を行い、寄付金をその意向に沿った事業に充当する方針を説明し、「本年9月時点の残高は約3億3000万円」だと答えた。
議長は、高橋議員からの再質問を受け、「那須町では企画財政課の2名がこの業務を行っている」と述べ、改めて体制の見直しが必要であるとの認識を示した。また、高橋議員は、天童市との比較を持ち出し、「那須町では内容的にも体制的に天童市には遠く及ばない」と指摘した。
次に動物愛護についての質問が行われた。環境課長の山田浩二氏は、栃木県全体での殺処分数の減少傾向を紹介し、那須町における具体的な状況は把握できていないと述べた。高橋議員は、那須町が殺処分ゼロを目指すための方針について尋ね、県の活動に協力しつつ、那須町の取り組みを強化する考えを示した。
また、選挙費用についても議論が交わされた。高橋輝議員は、ポスター掲示場の設置コストが約429万円に達することを述べ、削減策の必要性を訴えた。総務課長の渡邉登志雄氏は、近隣自治体の状況を見つつ検討しますと答え、市町の負担軽減への努力を強調した。
農業政策に関する質問も多く取り上げられた。田村浪行議員は、農業者の後継者問題と高齢化に触れ、役所の具体的な農地集積化計画について質問した。農林振興課長兼農業委員会事務局長の矢村浩一君は、39.6%の農地集積率を述べ、「将来目標を80%に設定している」との見解を示した。
高齢者福祉に関する各種制度やダブルケア世帯についても議論され、保健福祉課長の鬼澤努氏は、ダブルケアに関する現状を把握する難しさを訴えつつ、今後の支援策の充実を約束した。
このように、さまざまな議題を通して那須町の現状と課題が浮き彫りになった。今後、議会での意見を踏まえた具体的な施策が求められる。