令和6年第3回那須町議会が6月3日、開催された。議会では、耐え難い熱波に対する町の対策を巡り、様々な意見が交わされた。特に、熱中症対策や低所得者への支援に対する具体的な施策が焦点となった。
小野曜子議員(日本共産党)は、熱中症対策に関して「特に子供や高齢者には注意が必要であり、政府が行うべき支援が重要だ」と訴えた。さらに、電気料金の高騰についても言及し、「電気代の高騰が原因で冷房を使用できない家庭が増える懸念がある」と指摘した。
この中で、小野議員は、町独自の低所得者への電気代補助制度の導入を求めたが、保健福祉課長の木村和夫氏は、「現時点では考えていない」と断言した。小野議員は残念の意を表明し、逆に助成が必要と強調した。
また、クーリングシェルター、いわゆる暑熱避難施設の設置についても話が及んだ。議会では、特に高齢者や子供が多くの熱中症にさらされており、避難場所の設置を進めるべきだとの意見があった。木村課長は、「事例を参考に検討していく」と述べるに留まった。
菅野大議員からは、小中学校体育館へのエアコン設置について明確な検討を求められる一方、教育課の島村育男課長は、「現時点では困難である」との見解を示した。学校の熱中症発症防止のため、適切な施策に注力する必要性が再確認された。
訪問看護や生活支援を受ける高齢者に対しても支援を検討することが求められたが、総務課長は「順次見直しを行う」と述べ、様々な問題を解決する姿勢を示した。また、デマンド型乗り合い交通の利用状況などについて報告され、利用者数は増加傾向にあるものの、より一層の改善が必要との認識が示された。
那須町では、観光振興の観点から高付加価値を意識した取組も進められており、特に新たな観光コンテンツの創出や、地域資源の再発見に努める必要性があるとされている。観光商工課長の増子政秀氏は、「那須でしか体験できないユニークなコンテンツを通じて観光地としての魅力を高めていきたい」と意気込みを語った。地域の活性化の観点からは、企業との連携や地域住民の参加も強調された。
このように、多くの課題が浮き彫りにされる中で、町民の生活や未来を見据えた政策の実現に向けた動きが求められ続けている。特に、熱中症対策や低所得者への支援については、行政と地域が一体となり、一刻も早い対策を進める必要があると言える。