令和5年3月、益子町議会第29回定例会が開催され、町長の広田茂十郎氏が令和5年度の予算案を発表した。
今回の予算案は、総額84億7,000万円であり、その中でも約40%が自主財源によるものとされている。地域の経済活性化や少子化対策が最重要課題として位置づけられており、特に「子ども医療費助成事業」の対象が拡大された。
広田町長は、過去の施策を振り返り、農業振興策においては、農業戦略会議の設置を通じて地域全体の持続可能な発展を目指す考えを強調した。その中で、自治体における農業部門の現状に危機感を抱き、地域の担い手不足が問題視されている。特に、後継者育成や耕作放棄地対策が急務であることが示された。
また、図書館整備についても言及され、町民からの意見も積極的に受け止める姿勢が示されている。町民参加の懇談会を通じて様々な意見が集められたが、依然として計画には賛否が分かれている。町長は「全ての意見が尊重されるべきであり、町民にとって最適な場所を選定することが重要」と述べた。
さらに、ふるさと納税についても現状が報告され、目標の寄付額達成が難しいことが話題になった。特に境町の事例が引き合いに出され、地域での魅力的な返礼品の充実が求められていることが指摘された。
町の将来においては、観光や農業に関する新規事業が展開される予定であり、具体的な成果が期待される。特に、地域内の資源を最大限に活かし、地域コミュニティの再構築を図る方針が示されている。引き続き町民や地域関係者との対話が重要であると考えられ、今後の議論が待たれる。