令和5年9月4日に行われた第32回益子町議会定例会では、様々な議題が取り上げられた。特に注目されたのは、農業の活性化や高齢者支援、公共交通機関の利用促進に関する問題だ。
町長は、農業の活性化が益子町の未来に不可欠であると強調した。近年の耕作放棄地の増加は深刻な課題で、町では154ヘクタールの耕作放棄地が存在するという。町は農業委員及び農地利用最適化推進委員と協力し、農地の調査を進めている。また、地域計画の策定において、地域の担い手による農地の集約を目指している。このような取り組みを通じて、農業後継者の支援体制も整えていきたいと言及した。
高齢者支援については、町長が地域密着型の公共交通や助け合いの文化を奨励する意向を示した。自治会への加入促進や高齢者が地域活動に参加できるような支援策が重要だ。さらに、高齢者に対する公共交通機関として、月曜から土曜日まで運行されているデマンドタクシーが204万円分の補助を受けていると説明された。公共交通計画に関連して、町民の意見を反映した柔軟な対応を進める方針も示された。
一方、日本遺産の認定については、観光振興の観点からも大きな期待が寄せられている。特に、円通寺などの文化財を活用した地域活性化の取り組みが重要で、観光業者との連携が求められている。KPIとして設定された構成文化財の訪問者数は、コロナの影響を受けつつも、持続可能なプランが構築されつつある。
また、教育面では、コロナ禍の影響が児童生徒に及ぼした影響について懸念が示された。運動会や遠足などの行事を再開し、学校生活に活気を取り戻す努力が続けられているが、いじめや不登校の問題は依然として深刻で、スクールカウンセラーや器材を活用した支援が重要であるとされている。学校給食については、今年度は保護者負担を増やさず、食の安全と栄養バランスを確保する努力が続けられている。
議員たちからは、公共交通の利用促進や日本遺産の活用について積極的な意見が出された。すべての課題において、町民の意見を反映させながら、持続可能で活気のある社会の実現を目指す姿勢が示された。