さいたま県鳩山町において、12月2日に行われた令和3年第4回定例会では、健康長寿の町づくりや農業振興に関する質問が多数挙がった。
健康長寿の町づくりに向け、町民の健康寿命を延ばす取り組みが今後の重要課題として位置づけられている。町民健康課長の田嶋正久氏は「健康長寿には、幼少期から高齢期に至るまで、全ての時代に応じた健康づくりを推進する必要がある」と述べ、栄養、運動、社会参加の3つの柱に関連する施策の重要性を強調した。
その中で、農業が健康促進に寄与する要素として注目されている。吉澤産業環境課長は、農作業が高齢者の身体機能の向上に寄与するという研究結果を紹介し、農業を通じた健康寿命の延伸が町の施策に組み込まれることのメリットを説明した。「農業を通じて、地域のつながりを深め、生きがいを感じる環境を作り出すことが重要」と力説した。
また、農業集落排水事業についての質問では、処理区域内での人口動向や将来の人口予測について議論された。吉澤氏は「令和2年度に策定した経営戦略では、処理人口が今後も同様の水準を維持するとの予測がある」と述べ、安定した運営が期待されていることを報告した。しかし、利用者数に関しては、当初の計画を下回っているため、充足率の向上が求められる。
さらに、農業体験ツアーの企画や地域の特産品の活用についても議論に上った。地域おこし協力隊の実施や、農業体験を通じた地域活性化を期待する声があった。特に、地域の資源を活かした施策によって、訪問者数の増加や健康寿命のさらなる延伸を図りたいとの意見が多数上がった。
HPVワクチンの積極的勧奨の再開に関しては、周知の重要性が申し上げられた。町民の健康を守る施策の一環として、引き続き情報提供と支援体制の充実が図られる必要がある。
今後、鳩山町は健康長寿のための施策と農業振興を連携させ、地域の魅力を高めるための取り組みを強化していく方針である。各課は協力し合い、地域資源を活かした施策を引き続き推進するとの決意が示された。