令和5年12月の泉大津市議会において、複数の重要議題が取り上げられた。その中でも特に注目されたのは、泉大津市国民健康保険条例の改正についてである。これにより大阪府からの指導を受けた統一保険料率が適用され、市民の保険料が増加する見込みとなっている。具体的には、所得に応じた保険料率が設定され、例えば、所得100万円の3人家族の場合、これまでの17万9,600円から、統一化によって19万2,550円に上昇するという試算が示された。この変化は、全ての市民にとって真剣な懸念を招く内容で、市民に対しての影響が非常に大きい。
また、減免制度についても議論が交わされた。市独自の減免制度は廃止される見込みで、特に多子世帯や低所得者に対する支援が不足することが懸念される。かつては多子世帯減免や政令軽減減免が行われていたが、今後は大阪府標準に基づく制度への移行が進められ、この点も市民の負担増加を加速させる要因となるという意見が相次いだ。
また、火災予防の取り組みも重点的に行われている。約8割の建物火災が小規模なものである中、予防教育や地域連携による啓発活動が重要視されている。特に、消防本部ではSNSを通じての情報発信や、防火管理体制の確立を目指す施策が進められており、今後も市民の意識を高めることが期待される。
さらに、消防職員の定数についても議論が集中した。現在の消防職員は90名余りであり、近年の業務量の増加に対しては現行の体制では十分ではないとの意見が多く、将来的な増員の必要性についても関心が寄せられている。
今回の議会では、国民健康保険の改正や消防、防火対策など多岐にわたる問題が提起され、特に市民の生活に直接影響を及ぼす印象が強く残っている。市としても、引き続き市民の声に耳を傾け、実情に応じた施策を打ち出す必要がある。特に、保険料の軽減や生活支援に向けた工夫が求められ、新たな減免制度の設計といった、市民の暮らしを守るための具体的な施策が今後の重要なテーマとなるだろう。