令和元年7月2日に開催された嘉手納町議会臨時会では、環境汚染に関する重要な決議が可決された。
特に、嘉手納基地内での水質汚染が大きな議題となり、多くの議員がその状況について強い懸念を表明した。この問題は、沖縄県内で水質調査が行われた結果、基地周辺の水源から有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)の高濃度な検出事例が報告されている。特に、當山均議員は先の調査結果を引用し、「6地点中5地点で基準値を超える濃度が確認された」と強調した。
また、基地内での消火剤使用が主要因であると指摘されており、現在進行中の立入調査が未だ実施されていないことに対して憂慮の声が上がった。當山議員は、「一刻も早く専門的な技術を持って調査を行い、汚染源を特定すべきだ」と述べ、全議員に理解を求めた。
議会では、発議第35号及び発議第36号として、嘉手納基地への立入調査を求める意見書と決議が可決された。内容は、速やかに立入調査を実施し、その結果に基づいて適切な環境基準を設定することが求められるものである。賛成討論に立った花城勝男議員は、町民が受ける健康被害への懸念を強調し、「実効性のある調査を求め続ける」と訴えた。
他の議案としては、嘉手納小学校の大規模改造工事請負契約が提案された。金城睦和教育総務課長による説明で、契約金額は1億3,695万円であることが明らかにされた。議会はこの契約に関しても迅速に可決した。
最後に、嘉手納町環境対策調査特別委員会の設置に関する決議も可決され、幅広い環境問題に対処する姿勢が示された。これにより、さらなる調査が進められる予定だ。議長は、議会運営の透明性を高め、市民の健康と環境の保護を最優先すると強調した。今後この特別委員会の結果が、町民の不安解消に向けて大きな一歩となることが期待される。