令和5年12月15日、嘉手納町議会で開催された第30回定例会では、多様な議題が取り上げられ、特に注目されたのは市内の中小企業への実質無利子・無担保融資の返済状況についてと、今後の子ども家庭支援施策に関する議題であった。
議員の奥間常明氏は、実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が今年の夏から始まることに触れ、「多くの事業所が経営困難に直面している」とし、関連データ項目について質問を行った。これに対して我謝治彦産業環境課長は、町内で80件の融資が行われ、融資総額は約13億1,220万円、返済状況はおおむね半数程度が滞りなく返済されているとの答弁を行った。
「奥間議員は、返済に関する相談件数についても言及し、約3割から4割の事業所が相談を行っている状況にある」と述べる一方、「今後、国が支援策を強化する必要がある」とも強調した。続けて、新たな子ども家庭支援施策についても提案し、「困難を抱える子どもたちに必要な支援を行うための新設施設、仮称『子ども未来センター』を設ける意義がある」と訴えた。
同会議では水道料金の値上げに関する質疑も行われた。宇榮原京一議員は、「水道料金の改正が必要とされる背景には、沖縄の公共料金全体の高騰がある」と指摘し、住民への影響と市の対応を求める意見を述べた。それに対し、上下水道課の又吉政勝課長は、「嘉手納町の水道料金は県内でも低水準である」と答えながらも、県企業局からの水料金改定に伴う影響とそれに対する町の対応策についても触れた。
議案の決議内容に関して、補正予算や手数料条例の改正にも話が及び、「マイナンバーカードにまつわる手数料を大幅に減額する取り組みが進められている」ことが住民にとってのメリットとして挙げられた。また、合意形成も進められ、地域住民が直接利用するサービスにおける柔軟な発展が期待されている。今回の議会では、未来に向けた多様な施策の必要性が改めて強調され、多くの転機となる署名も得られたといえる。