令和2年3月24日に行われた嘉手納町議会定例会では、町の観光振興や福祉交通の改善についての質問が行われた。
まず、観光協会の設立についての質問が取り上げられた。4番宇榮原京一議員は、観光協会の設立の目的を述べ、町における自然や文化を活かした観光振興の重要性を強調した。これに対し、上地康夫産業環境課長は、観光協会設立の進捗状況を説明したが、設立の遅れについては人材の確保課題が影響していると明言した。特に、現状では必要な人材を見つけることが難航しており、今年度内の設立は厳しいとされた。宇榮原議員は設立の遅れに驚きを示し、過去の議論の経緯を振り返る形で、これまで都度進捗していなかった理由の説明を求めたが、上地課長は次のステップに進む際の人材確保の重要性を訴えていた。
続いて、道の駅かでなについての議論も行われた。宇榮原議員は、道の駅かでなのリニューアル状況について質問し、施設が持つ課題や新たな魅力向上策について意見を述べた。上地課長は、現在進行中の造成工事や供用開始のタimelineについて説明し、利用者にとっての課題を解決する努力が続けられていると述べた。
さらに、嘉手納外語塾の運営に関しても議論され、特に臨床心理士の配置や若者の資格取得支援制度への期待が議員より述べられた。教育長の比嘉秀勝氏は、今後のサポート体制の整備や、保育士や若者支援に向けた具体的な方策の検討を進めると答えたが、臨床心理士の確保には課題があることを明かした。
最後に、福祉交通の現状についても質疑があり、タクシー利用助成事業の実績について述べられた。知念隆議員は、利用者の実態や助成内容の見直し、デマンド交通の選択肢なども含め、より効果的な施策展開を求めた。福祉課の担当者は、来年度に向けた実証実験の内容を確認することで、より多くの住民に福祉交通を届けられるよう取り組んでいく方針を示した。
これらの議論を通して、町内の課題に対する迅速な対応と、地域住民の声を反映する制度づくりが今後も求められていることが浮き彫りとなった。