令和2年9月の嘉手納町議会定例会にて、高齢者や地域経済の支援策が議論された。
特に注目を集めたのは「高齢者タクシー利用助成事業」である。知念隆議員は、実証実験の結果を受けた今後の取り組みについて質問した。福祉課長の野村順子氏は、実証実験の利用者数が111名、利用枚数が1,451枚であっ たと述べ、「タクシー利用助成券により、気軽にタクシーを利用できた」と利用者の声を紹介した。また、知念議員からは、運転できない家族と同居する高齢者を対象に含めるべきとの意見があった。
次に「嘉手納町事業継続支援給付金」にも焦点が当てられた。新型コロナウイルスの影響で、町内事業所の事業継続を支援するため、この給付金は約74%の事業者に対し支給された。対応課の上地康夫氏は、申請件数が433件、その内428件が給付されたと報告。再度の給付については、「今は段階的な支援が適切」との考えを示し、必要に応じて支援続けると強調した。
また、畜産業や不法投棄に関する質問も取り上げられ、畜産振興策としての特産品づくりの可能性が議論された。この中で、「嘉手納で作られたヤギ乳が用いられたチーズが国際コンテストに出品される」との話があり、期待感が寄せられた。
GIGAスクール構想についても重要な議題である。教育総務課の金城氏は、各学校へのタブレット導入や教育委員会からの支援体制の重要性を指摘し、教育格差を解消する取り組みを進める考えを示した。今後、段階的に進むこの計画に期待が寄せられる一方で、教育環境整備が急務であることも指摘された。
このように、嘉手納町議会ではコロナ禍の緊急対応を含め、地域支援に向けた種々の施策が活発に話し合われており、さらなる具体化が期待されている。