令和2年3月3日、嘉手納町議会では第39回定例会が開会した。
当日は、近年の議会活動の中で特に注目を集める議題がいくつか取り上げられた。
最初に、「仲村一議員に対する議員辞職勧告決議」が即決で可決された。発議者の知念 隆議員は「議員辞職勧告決議が三度にわたり出されたが、未だに辞職ではなく居直り続けることは、議会の品位を損ない町民の信頼を失墜させる」と強調した。
続いて、町長の施政方針が発表された。當山 宏町長は、令和2年度に向け、「公共施設の整備」「教育・福祉の向上」「人材育成・文化の振興」など重要施策に取り組む方針を示した。特に、自然災害への対策や防災行政無線の機能強化に関して、町民の安全を最優先にした基盤を整えていく必要があると述べた。
次に、令和2年度の一般会計予算が提案された。予算総額は100億3,552万円に定め、前年度比8%の増を見込んでいる。企画財政課の我謝 治彦課長は歳入歳出の詳細について、「国庫支出金や県支出金の増額が見込まれ、特に国民健康保険事業費は重要な支出項目である」と説明した。
また、国民健康保険特別会計や後期高齢者医療特別会計予算についても、歳入の増加が見込まれ、数々の福利厚生に関わる項目が増加している点が報告された。これに関連して町民保険課の町田 優課長は、被保険者数の減少が懸念される一方で、特定防衛施設周辺整備調整交付金の増加により、逆に町の保険業務はより安定化していると説明した。
最後に、下水道事業特別会計や水道事業会計の予算が議題に挙げられ、着実な事業運営を進める姿勢が示された。今後の事業の進捗が町の生活基盤に直結するため、町民への安心・安全なサービスを提供するための予算編成が行われていると強調された。議会は、今後も地域の課題解決に向けた活動を進めていく方針を確認し、各議案を可決した。