令和5年9月26日、北谷町議会は定例会を開催し、さまざまな議題が討議された。特に注目されたのは、子育て・保育行政についての議論である。
玉那覇淑子議員は、保育士配置基準の見直しに関する質問を行い、国の少子化対策に絡む保育士の処遇改善要求についても言及した。彼女は、「日本は諸外国と比べ、保育士一人当たりが受け持つ子どもの数が多く、保育環境が理想的ではない」との意見を表明した。これに対し、渡久地政志町長は、国が保育士の配置基準を見直す動きをしていることを説明し、今後も保育士確保に向けた施策を展開していく意向を示した。
また、玉那覇議員は、認可外保育施設の指導監督基準証明書の発行についても質問し、現状と今後の施策について情報提供を求めた。与儀司住民福祉部長は、認可外保育施設が保育料無償化の対象となるためには、一定の基準を満たす必要がありますと述べ、今後も指導と助言を徹底していくことを強調した。
続いての議論は、防災施策の進捗状況についてである。特に、道路パトロールを行うアプリの導入に関する質問があり、田仲康児建設経済部長は、現在システム構築作業を進めており、今年度中には町民への案内を開始する予定だと述べた。このシステムは、住民が公共施設の不具合を簡単に通報できる仕組みとなっており、地方自治体と住民との連携強化を図っている。
別の議題として、北谷町の特産品開発が挙げられた。喜友名盛充議員は、月桃などを使用した特産品の開発を提案し、「北谷町にしかない魅力を生かした商品づくりが地域活性につながる」と主張した。町長はその意見に賛同し、今後の観光振興にも寄与するとの見解を示した。
今回の定例会は、子育て支援から地域産業振興、安全対策に至るまで、多角的な視点から北谷町の現状の課題解決に向けた具体的議論が展開され、今後の展望が期待される内容であった。