令和4年3月22日、北谷町で実施された定例会では、子どもたちの貧困問題や若者の人材育成支援、ジェンダー平等、保育士の処遇改善など、地域に根ざした重要な議題が討議された。
特に注目されたのは、11番の宮里歩議員が提起した「子どもの貧困対策と若者の人材育成支援」についての質問である。具体的には、うるま市が取り組む若者就業支援プログラムの事例から、本町の現状や施策の必要性に議論が及んだ。
根間朝弘建設経済部長は、町内でも就業支援が実施されているとしつつも、うるま市の成功事例を参考にする必要性を指摘した。具体的な支援内容として、資格取得に関する助成やふるさと納税を利用したプログラムの実施などが提案された。加えて、町の若者の完全失業率についてもデータが示され、改善が必要であることが再確認された。
また、ジェンダー平等社会の実現に向けた取り組みについても、宮里歩議員が壇上で質疑した。渡久地政志町長は、北谷町が男女共同参画社会を実現するために、条例や計画を進めていることを強調した。この年度に策定される「第三次北谷町男女共同参画推進計画」においては、特にSOGI(性的指向・性自認)に関する施策が含まれる旨も言及され、女性と子どもへの支援が今後の重点事項とされる。
保育士の処遇改善については、知念喜忠住民福祉部長が答弁を行った。保育士の離職防止策として、令和4年度にアンケートを実施し、現状把握や支援の必要性を探る方針が示された。これにより、職場環境の向上や処遇改善を目指す考えが伝わってきた。また、保育士関連の補助事業が進められ、認可園等からの問い合わせが増加しているとの報告もあり、今後の進展が期待できる。
加えて、町立博物館の建設計画についても話題となった。新垣千秋議員が、この博物館が町民にとっての文化発信の拠点となることや、子どもたちが直接歴史や文化に触れる機会を創出する重要性を強調した。教育長である津嘉山信行氏は、博物館での体験学習や地域資源の利用を通じて、子どもたちに郷土愛を育てていく重要性を述べた。北谷町の掲げる「町全体が博物館」というビジョンに対する期待が寄せられ、信頼のかかる事業であるとの見解が示された。
このように、多様な課題が分かち合われた定例会において、地域社会への支援の方向性や町の未来に向けた具体的な取り組みが示された。地域の人々にとって実現可能な環境構築が求められる中、町がどのように施策を展開していくのか、今後の進展に注目が集まる。