令和3年3月30日、北谷町議会は臨時会を開催し、令和3年度一般会計予算について審議した。今回の予算は、昨年度策定された予算の内容を見直し、新たに一般会計への提案がなされることとなった。
町長の野国昌春氏は、「令和3年度北谷町一般会計予算」の総額が約174億2,700万円に上ると説明した。この金額は昨年度予算に対し約18億3,000万円の増額を示しており、当初提出された予算から約3,900万円の増額が行われている。
当初の議案第30号が否決された背景には、新型コロナウイルス感染症対策の強化が求められたことがある。今回の予算案には、新型コロナウイルス感染症対策として新生児特別定額給付金を新たに設けることが盛り込まれ、その予算額は約3,900万円である。これは、昨年4月28日以降に生まれた新生児に対する給付金であり、住民の声を反映した形での計上となった。
また、議案に含まれる町立博物館の外構設計業務委託料についても議論され、この予算は今回の修正案で0円に計上された。これに関しては、博物館整備事業自体の進捗が不明確であることが理由として挙げられており、多くの議員からは説明責任の無さが指摘された。
質疑応答の中で、議員の一人は「町立博物館外構設計業務が0円となることで、博物館事業の有効性や未来への投資として適切なのか疑問」と述べ、外構設計が進まないことで開館が遅延する懸念を表明した。これに対し、町長は延期によるデメリットを強調し、早急な施行を求めた。
町立博物館の設立は長年住民が待ち望んでいた事業であり、伊礼原遺跡との連携事業として進められていることからも、これが果たす役割は大きい。議会では、町民と行政の間に立つ重要な役割を果たすべく、誠実な対応が求められていることを改めて認識した。
最終的に、修正動議が提出されるも賛成票と反対票の数が拮抗する場面が見られ、この問題対し重要な決定が下された。議論の結果、令和3年度の一般会計予算が可決されたが、博物館外構設計業務については再度の協議が必要とされている。