令和3年6月15日に開催された北谷町議会定例会では、さまざまな重要な議題が議論された。特に、感染症対策や生理の貧困、高齢者医療に関する問題が強調された。
まず、コロナウイルス感染症に関する議論では、県内の感染者数が増加していることが報告された。高安克成議員は、特に重症化リスクの高い社会福祉施設の検査拡充の必要性を指摘した。野国昌春町長は、社会福祉施設でのPCR検査の拡充が進むと述べ、現況を把握する重要性を強調した。新型コロナによる影響が拡大しているなか、感染者の世代別データも示され、町内での高齢者への影響を懸念する声が多くあった。
続いて、生理の貧困が議題に上がった。宮里歩議員は、経済的理由により生理用品を手に入れにくい状況について言及し、町における生理用品の備蓄状況を問うた。この点について、野国町長は、町では現在2580枚の生理用品が備蓄されており、さらに取り組みを進めていく考えを示した。また、公立学校のトイレに生理用品を整備することの必要性についても調査が進むとして、各学校や公共施設への導入を前向きに検討する姿勢を見せた。
高齢者医療に関する議論では、75歳以上の後期高齢者の医療費負担比率引き上げに関する法案が審議中であることが取り上げられた。知念喜忠住民福祉部長は、この引き上げが本町に与える影響を具体的な数値を交えて説明し、健診受診率の低下が懸念される中、受診控えを防ぐ対策が重要であるとの見解を示した。
また、住民票交付手数料の見直しについても詳しい説明があり、多子世帯支援の一環として、6人目以降の住民票追加手数料を下げる方向での改正が進められていることが報告された。
伊礼原遺跡公園と新博物館建設に関する質疑も活発に行われた。特に、町長は「新博物館は町民の期待を背負った重要なプロジェクトである」と強調した。予算取りや建設の進捗状況についての説明が行われ、議会側からの懸念に対し、町の独自の取り組みが必要であるとの意見も寄せられた。特に博物館建設にかかる予算に関しては、関係機関間での協議が続けられていることが強調された。
この数々の問題を受けて、議会内外からは、今後の町の発展に向けた強力な施策の推進が求められている。議員らは町民生活の質を向上させるため、様々な観点から町政の改善を継続的に促していく姿勢が示され、住民からの信頼を得るために努力が求められている。