令和3年3月26日に開催された第512回北谷町議会臨時会では、令和3年度一般会計予算についての再議が行われた。この会議では、特に町立博物館整備事業の予算削減が大きな焦点となった。町長の野国昌春氏は、博物館関連予算の削減に異議を唱える旨を強調した。特に「博物館建設事業は、町民が長年期待している非常に重要な事業であるため、慎重に進める必要がある」と述べ、当初予算での計上が必須であると主張した。
さらに、野国町長は「新型コロナウイルス拡大に伴う支援策についても、町として独自の対策を実施してきた」とし、町民に対するサポートが決して後回しにされてはいけないと強調した。町は新生児への支援制度の設計についても進めているとし、令和3年度における給付金支給について、より具体的な計画を考慮する準備が進んでいることを明らかにした。
今回の会議では、反対意見も多く見られたが、特に高安克成議員が「町立博物館事業は今後も進めていく必要がある一方で、支援策についても緊急性が求められる」と述べ、バランスの取れた議論が必要だと訴えた。一方で、他の議員からは「館設計の詳細が不明な中で予算を通すのは危険である」という意見も出され、より詳細な情報提供が求められた。反対派の意見では、町民からの署名活動が行われたことを引き合いに出し、町立博物館の事業は透明性を欠いていると指摘された。
また、支援金の扱いについては、町民の信頼を損なわないよう、確実に給付を行っていく必要があるとされ、「町民が納得できる形での補正予算を組むべきである」との意見も多かった。このように、再議請求が行われた中での討論は激化し、町立博物館の予算をどうするかという重要な問題が浮き彫りとなった。
議会における再議の結果、最終的には原案が可決され、博物館に関するゼロベースの予算案は否決された。議員総意のもと、町には一層、町民の期待に応える事業の進行が求められた。実施に関しては分かりやすい説明責任が求められており、さらなる信頼醸成が課題となる。