令和2年9月9日、北谷町定例会が開催され、複数の議案が審議された。中でも、北谷町空家等対策の推進に関する条例の制定は重要な議題となった。
野国昌春町長は、当該条例の必要性を訴え、日本全体で空き家問題が深刻化する中、地域の防災や衛生状態を維持するために対応が不可欠であると説明した。具体的には、この条例が空き家に対する管理責任を明確化し、特に所有者が急務とされる改善措置を講じられない場合の対応を示すものである。この条例により、町民の生活環境の安全を確保し、地域社会の活力を引き出すことを目指すとして、町長は「住民が安心して生活できる環境を整えるために必要な法整備である」と強調した。
続いて、根間朝弘建設経済部長が条例案の詳細について説明を行い、条例の各条文が何を規定しているかを述べた。特に所有者の責務と町の役割を明示化し、具体的な管理措置や助言、指導に関する条項が話題に上った。議員の仲地泰夫氏からは、責務に対する町民の義務について質問があり、及び所有者の協力義務についても意見が出た。これに対し、根間部長は、条例の目的を達成するための役割分担が重要であるとし、実際の運用方法を丁寧に検討している旨を返答した。
議案第51号、住居表示の実施区域と方法についても広く議論された。野国町長は、これは地域住民の利便性を向上させるために不可欠であると強調。桑江伊平地区において住居表示を進めることにより、住所の特定を円滑にするとともに、地域の発展を促進する狙いだ。
そして、令和元年度の決算認定も行われ、歳入・歳出の総額が示された。この中で、野国町長は「歳入総額は約168億4千800万円で、歳出総額は約157億3千200万円」と述べ、一定の黒字を確保できたことを報告した。歳入における町税の伸びを地域の活性化に結び付け、今後も財政健全化に向けた施策を積極的に進めると述べた。特別会計も含めた全体の財政状況についても、業務の効率化とサービス向上に努める方針を示している。
下水道事業や水道事業に関する決算認定も行われ、各種事業の進捗と地域への影響が報告された。特に、下水道普及率は98.6パーセントに達しており、高い普及率を誇ると町長が誇らしげに述べた。全体を通じて行政の透明性確保と町民へのサービス提供の重要性が強調され、審議は滞りなく進行した。今後も引き続き、地域に寄り添った施策が期待される。