令和2年3月定例会の議論が進む中、重要なアジェンダが言及された。特に一般質問では、多田忍議員が中心となり、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や、急速な人口減少と財政対策の推進について質問を投げかけた。この戦略は、地域経済の活性化と人口減少の克服を目的としており、2035年までの施策が検討されている。しかし、財政対策と現実の厳しさ、特に人口動態の悪化に懸念が表明された。
多田議員の質問に対し、黒田幸一郎政策推進課長が答弁。市の現在の人口は28,807人で、2045年には19,312人へ減少が予想され、深刻な状況が続くと説明した。市が掲げる目標は、合計特殊出生率を2025年に1.61から3割程度高めることだが、遅れを取っている。2050年のイメージを持ち、施策を進めるよう強調された。
続いて、新型コロナウイルス感染症が日本国内に広がる中、健康長寿あんしん課の小俣玲子課長が、感染症法に基づく市の対応を述べた。市は、感染拡大防止のため、手洗いやうがいの徹底を呼びかけ、また、自ら民間医療機関と連携し、検査体制の強化を図る方向性を示した。市民に向けた情報提供やマスクの備蓄状況も説明され、杵築市としての危機管理体制の整備が進められていることが分かる。
立地適正化計画についても重要な議論が交わされた。この計画は持続可能なまちづくりを目指しており、公共交通の利便性を重視した居住誘導区域が設定されるが、議員たちは、この区域選定の正当性や実行可能性について疑問を呈している。特に、過去に策定されたマスタープランとの整合性が問われ、従来の都市設計が依然として価値を持つべきだという意見が強調された。これに対し、政策推進課は定期的な見直しを通じて、必要に応じた調整を行うことを示した。
さらに、ハザードマップの見直しも進行中であり、新しい危険区域の指定が2020年内に行う予定であり、土砂災害防止の取り組みが強化される見込みであるが、全体的な地域住民への説明や理解を促すことが課題として残っている。このように、杵築市では多角的な問題に対処しようとする努力が行われているが、実行へ向けた具体的な計画とその進捗状況に市民が信頼を寄せられるかが今後の重要な課題である。