令和6年3月の定例会において、燕市の農業支援や高齢者運転免許の自主返納に関する課題などが浮き彫りになった。特に注目されたのは、農業の担い手不足が進行している現状とその対策についてである。市長の鈴木力氏は、新規就農を目指す若者に向けた支援策として、研修や技術導入の補助を強化することを述べた。具体的には農業スタートアップ事業を通じて、新規就農希望者に対する研修を展開している。また、チャレンジ・ファーマー支援事業の導入により、リーダー層の農業者への支援も行われている。これに対し、農業関係者からはさらなる支援体制の強化を求める声が上がった。
次に、高齢者運転免許自主返納事業が議題に上がった。市民生活部長の前山正則氏は、燕市での自主返納者数は令和4年度で335人に達したと報告。この制度は高齢者の安全な移動手段を提供するために重要であり、運転免許を返納した高齢者には1万円分のタクシー利用券などが支給される。しかしながら、高齢者が運転を続ける理由として公共交通機関へのアクセス不足が挙げられており、今後もさらなる移動手段の充実を図る必要があるという。
続いて、116号線の吉田バイパスの進捗状況が話題に。市長は、都市計画決定及び新規事業採択後に地質調査が行われており、用地買収が進行中であると説明した。関連する住民との合意形成が進んでいる点は、市としても注視すべき課題である。
また、県立吉田病院の改築について、副市長の南波瑞夫氏より、地質調査費用約7,000万円が新年度予算に盛り込まれていると説明があった。病院の改築は早急に行われるべきで、地域住民の不安も払拭されるべきであると強調された。
最後に、スケートボード場の利用状況が報告された。利用登録者数は227名であり、開場から約10か月でありながら日々の利用者は平均6.1人程度であった。教育次長の岡部清美氏は、利用者増加のためにもイベントや教室の実施を検討する必要があると語った。市はオリンピックに向けたイベント開催を視野に入れ、地域活性化に取り組む意向を示した。
このように、燕市の議会では農業、高齢者の運転免許、地域交通、医療施設の改築といった重要課題において、市の施策の充実が求められることが明らかになった。これらの施策の実行が、地域の発展や市民の安心・安全に寄与することが期待される。