令和5年6月15日、伊那市議会全員協議会が開催された。会議では、6月2日の大雨による災害の状況が報告された。
白鳥孝市長は、議員各位の出席に感謝し、災害の詳細な報告を行った。今回の大雨により、伊那市内では人的被害はなく、住宅被害として床下浸水が4件報告されている。また、避難指示は高齢者向けに発令され、合計26世帯40名が避難した。
災害対策本部は6月2日に設置され、3回にわたる本部会議が開催された。雨量は非常に多く、荒町では短時間に35ミリの降雨が観測された。公道や市道においても複数の通行止めが発生している状況である。
農林部関係の報告では、耕地や水路、森林に甚大な被害が確認された。酒井建耕地林務課長によると、旧伊那市地域で91か所、全体で137か所の被害が見込まれており、124か所は市単独で対処される予定となっている。さらに、林道についても44か所で被害が確認された。
建設部の北原教正建設課長は公共土木施設の被害についての詳細な報告を行い、合計111か所で土砂流出や路肩の崩壊などが発生したことを伝えた。復旧工事にはなかなかの時間がかかる見込みで、18か所の通行止めが現在も続いている。
また、水道部の報告では、富県上新山区の飲料水供給施設において大きな被害があり、復旧作業が進行中であることが説明された。さらに、下水道施設で土砂が流入したが、こちらは無事であった。