令和6年9月定例会が開かれ、伊那市では多様な議題について協議が行われた。
特に注目されたのは、共生型サービスの推進に関する議論であった。このサービスは、高齢者や障害者の支援を通じて、地域の福祉を強化する試みであり、伊那市でも導入の可能性が模索されている。しかし現在、障害者を対象とした福祉避難所が存在しないことから、市として具体的な行動が問われている。各福祉施設が果たすべき役割に焦点を当てるとともに、実際に利用される場の提供についても模索することが求められる。
また、部活動の地域移行に関する議題も上がり、教育委員会と市町村による協力体制の確立が重要視された。近年の少子化に伴う部活動への参加者減少や、教員不足への対応として、新たなアプローチが必要とされている。教育現場と地域の連携を強化し、持続可能な形での部活動運営を進めるための施策が求められている。
さらに、伊那市の観光振興策としてのサイクリング推進も重要視された。特に、信州の自然や文化を生かしたサイクリングの観光資源化は、地域振興に寄与することが期待されている。市としては、「Japan Alps Cycling」のブランド戦略を進め、観光客を誘致する動きがある中、地域の特色を生かしたサイクリングルート整備や関連イベントの開催が計画されている。
市長は、サイクリングの魅力を伝えるための動画制作や広報活動を通じて、観光資源の発信に努める姿勢を示した。これにより、訪問者数の増加が期待されるとともに、地域の絆を深める機会を創出することも目指されている。
最後に、豪雨や土砂災害に対する対策についても議論が及んだ。特に、国道361号沿いで発生した土砂流出事故を受け、道路排水対策や土砂撤去についての検討が求められている。市内はもちろん、周辺地域との協力体制を築くことが重要だとされ、今後の安全対策に向けて活発な議論が必要であるとの意見が相次いだ。
これら多岐にわたる議題に対し、一つ一つの問題に適切に取り組む姿勢が求められ、各委員が意見を交換する有意義な時間となった。