飯田市議会の全員協議会が令和6年5月20日に開催され、ふるさと納税と市民の意識調査についての議題が扱われた。
議長の熊谷 泰人氏は、前議長の湯澤 啓次氏への哀悼の意を表明し、湯澤氏が南アルプスジオパークに尽力したことを強調した。市長の佐藤 健氏も同様に哀悼の意を示し、湯澤氏の遺志を受け継ぐ姿勢を明らかにした。これに続く報告では、令和5年度のふるさと納税の実績が発表された。
広報ブランド推進課長の松井 敬氏によれば、寄附金額は4億2108万円で、寄附件数は31728件に達した。前年度に比べ、寄附金額は2534万円の増加、寄附件数は1676件の減少であった。その要因として、果物やフルーツの返礼品が人気であったことが挙げられた。また、経費の適正化により、寄附金に対する返礼品割合が減少したため、駆け込み需要が発生したと分析された。
一方で、今年度から導入された「飯田市20地区応援隊」の制度によって、地域活動への寄附も進捗している。地域自治振興課長の小椋 貴彦氏によると、12の地区から55件、約205万円の寄附を受けたという。これにより、各地区の活性化や地域づくりが進むことが期待される。
かたや、市民の意識調査については、松井広報ブランド推進課長が令和5年度の結果を報告した。この調査では、住民の85.9%が飯田に住み続けたいと考えていることが明らかになった。また、地域活動に関与する市民が69%と高い数値を示しており、エシカル消費に関する意識の高まりも見られた。一方、情報取得の課題も浮き彫りとなり、特に20代から40代の回答率が低いことから、今後の情報提供方法に改良の余地があるとされた。
今回の協議会では、ふるさと納税と市民の意識に関する重要なデータが共有され、地域への参加促進や市民活動の活性化が今後の課題として議論された。さらなる情報発信と市民参加を促す施策が求められる中、関係者は引き続き市民の声を反映させた施策を進めていく意向を示している。