令和6年6月28日に開催された伊那市議会定例会では、各議題について活発な議論が交わされた。
特に重要な議題として、2024年度一般会計補正予算が全会一致で可決されたことが挙げられる。この補正予算には、物価高騰に伴う給付金支援や、在宅介護サービスの持続可能性に関する予算が含まれている。
また、訪問介護費の引き下げ撤回と介護報酬の引き上げに関する意見書が提出され、議員からは「介護事業所の経営状況が厳しいことから、引き上げが急務だ」との意見が続出した。小林眞由美議員は、「今回の引き下げは特に小規模な事業所に大きな影響を与えており、迅速な見直しが必要である」と述べた。これに対し、賛成意見が多く集まり、全会一致で採択された。
さらに、女性差別撤廃条約選択議定書を速やかに批准するよう求める意見書も可決され、宮原英幸議員は、「国際的な人権基準を遵守するためにも、早期の批准が求められる」と強調した。
加えて、少人数学級推進と教員増に向けた教育予算の確保が求められ、地方自治体間の教育格差に対する懸念も表明された。なかでも、義務教育費国庫負担制度の拡充は、全議員からの支持を得て可決された。
また、へき地教育に関する手当の改善も議論され、長野県と近隣県との支給率の格差が問題視された。議員たちは「地域ごとの教育水準を保障するために、手当の支給率を見直すべきだ」との意見で一致した。
最後に、国の指示権を拡大する地方自治法の施行に関する意見書も可決され、国と地方の関係性が変わることへの警戒が表現された。議会では、「地方自治の原則を守るためにも、国の介入を慎重に扱う必要がある」との声が上がった。
全体として、議会は地域住民の生活向上に向けた施策を強く求める姿勢を示した。本定例会を契機に、さらなる議論と施策の実行が期待される。