令和3年6月15日の伊那市議会定例会では、教育や福祉に関する様々な課題が議論された。
特に注目を集めているのは、ワクチン接種の進捗状況だ。市長の白鳥孝氏は、新型コロナウイルス感染拡大を収束させるために、ワクチン接種の重要性を強調した。目標は高齢者向け接種を7月末までに完了することである。これに対し、議員の柴満喜夫氏は、国からの指示が現場に与えるプレッシャーについて懸念を示した。市長は、「必要な医療体制を整え、7月中には希望するすべての高齢者に接種を完了させる予定である」と述べた。
また、移動困難者に対する支援策についても議論がなされた。市は高齢者に向けていきいき健康券を配布し、タクシーなどの利用を促進している。さらに、夜間の中間教室「やまびこ学級」が開設され、登校が難しい児童に居場所を提供することで、社会復帰を促進している。
図書館においては、「読書通帳」の導入が注目され、好評を博している。通帳の追加発行を考えており、できるだけ多くの市民に手渡したいと市は考えている。また、図書館における雑誌スポンサー制度も検討し、地域の企業に参加を呼びかける計画も進行中である。市長は感謝状や協賛金などの仕組みを通じて、地域の協力を得ることを期待している。
交通面では、イーナちゃんバスの利用促進策として、高校生割引などの新たな制度が提起された。これは若い世代に公共交通の利用促進を図るものであり、将来的には定期券の導入についても検討されている。市長は、公共交通の重要性や、環境への負担を減らすための積極的な取り組みを強調した。
最後に、川の再生可能エネルギーの活用、特に木質バイオマス発電についても議論され、市長はこの取り組みの必要性と将来性を述べた。伊那市は自然資源が豊富で、地域の強みを生かした森林資源の利活用を進める方針である。これにより、持続可能な社会の構築に向けた新たな一歩を踏み出す。