令和3年6月4日に開催された伊那市議会全員協議会では、様々な報告事項が議題に上がった。
会議の冒頭、白鳥孝市長は出席議員に感謝の意を示し、特に旧伊那中央清掃センターの跡地利用方針、伊那中央衛生センターの改築、子どもの未来応援事業、ワクチン接種状況、そして南アルプスジオパークの再認定に関する報告について触れた。
まず、旧伊那中央清掃センターの跡地利用方針に関して、城倉良市民生活部長が現状を説明した。センターは平成31年3月に閉場され、その跡地は地域の防災拠点機能を有する緑地公園や屋内運動場として利用される方針が示された。これに伴い、地元からの要望を踏まえた整備計画も策定が進められている。また、土地の約7割が伊那中央行政組合で、取得は本年度内を見込んでいるとのことだった。
次に、伊那中央衛生センターの改築について、城倉市民生活部長は既存施設の老朽化を受けた改築の必要性を強調した。全面的な更新が優位であるとの結論が出ており、令和4年度に業者を選定し、令和5年度に着工する予定であることが報告された。
また、松澤浩一保健福祉部長は「子どもの未来応援事業」について、コロナ禍における子どもの貧困や孤立の問題に取り組む事業を開始することを明らかにした。この事業は、子どもの未来応援隊の設立、子ども食堂の支援、フードバンク伊那の構築の三つの取組により構成される。
更に、新型コロナウイルスワクチンに関する報告も重要なテーマの一つであった。松澤部長から接種状況が説明され、65歳以上の高齢者への接種が進んでいることが伝えられた。接種予約に関しては、改善策が講じられており、周知が計画されているが、依然電話等の予約に多くの課題が残っていることも指摘された。
さらに、南アルプスジオパークの再認定審査結果が紹介された。竹村和弘商工観光部長によれば、再認定にあたっては条件付きの結果が報告され、改善のためのアクションプランの提出が求められている。特に地方団体間の連携強化や、事務局体制の強化が求められている点が強調された。
このように、多岐にわたる議題が取り上げられ、市としての今後の取り組みに対する市議会の関心が伺える状態であった。