令和4年12月の伊那市議会における一般質問では、教育現場や地域社会における子供たちの支援が重要なテーマとして浮き彫りとなった。
この中で不登校の現状が報告され、伊那市の小中学校ではそれぞれ小学校39人、中学校86人の不登校生徒が存在するという。また、コロナ禍が影響し、精神的な問題で学校に通えない児童が増加しているという指摘もあった。教育委員会の調査によると、子供たちの多くは「疲れた」と感じている様子が伺える。
貧困問題やヤングケアラーの支援についても意見が上がり、ヤングケアラーとして認識されている児童生徒は21世帯、27人であることが確認された。地域と連携した社会的支援が求められている。
ひきこもりに関する調査結果も報告された。伊那市には58人のひきこもりが確認されており、特に長期間にわたって社会から疎外されていることが多い。そこで、社協の支援や地域と連携して活動を進める必要があるとの認識が示された。
さらに、伊那市では防災行政無線の整備も議題に上がり、現在206か所に設置されているスピーカーについて、音声の聞き取りにくさを改善するための対策が必要とされている。特に山間部においては、防災情報を確実に伝えるための新たな取り組みが検討されている。
教育委員会は子供たちの生活状況を多角的に把握し、それぞれの事情に応じた支援策を今後も検討していくとしている。教育現場の忙しさが課題であることも挙げられ、教員の負担軽減策が必要であるとの意見も交わされる。
議会では、子供の健康と福祉を支えるため、更なる地域との連携や市民の理解が欠かせないとの結論が得られた。市長は防災や農業支援に引き続き力を入れ、地域の安全体制を強化する意義を強調した。と同時に、過去の成功事例を引き合いに出し、個々の事情に応じた支援が求められる時代であると訴えた。