令和4年6月24日、伊那市議会全員協議会が開催された。主要な議題として、ぐるっとタクシーの運行エリアやモバイルクリニックの高度化が報告された。
まず、ぐるっとタクシーについて、飯島智企画部長は、高齢者や障がい者の日常生活を支援するサービスであると説明した。運行エリアは市内をいくつかのブロックに分け、特定エリアとの乗り合い運行を行う形となっている。特に、通院や買い物に必要な移動を簡素化する意義が強調された。また、運行においては一般タクシーの民業圧迫を避けるため、事業者との合意形成が重要であると述べた。
次に、デジタルタクシーの運行に関しても言及があった。これは、ぐるっとタクシーを利用できなかった地域に新たなサービスを提供し、地域の交通感の向上を図る試みだ。実際、利用状況についても言及され、ぐるっとタクシーの運用から得られたデータに基づいて今後の改善策が期待されている。
また、モバイルクリニックの高度化も重要なテーマに挙げられた。ここでは、専門医不在の地域で、医療機器を搭載した車両を利用し、医療を提供する新たなモデルが紹介された。具体的には、運転手と看護師が患者宅に訪問し、オンラインで医師と連携しながら診療を行う。これにより、医師不足を解消し、通院の負担を軽減する狙いがある。
白鳥英一ワクチン接種対策室長は、新型コロナウイルスワクチンの接種状況についても報告した。接種率は、初回接種が全人口の82%、追加接種は66.7%に達したことが明らかになった。年齢別のデータでも若年層の接種状況が向上傾向にあることが示された。
これら一連の議題に対し、議員達から様々な質問や要望が寄せられた。特に、デジタルタクシーの運行時間やモバイルクリニックの利用拡大についての意見が多く発信された。議論の中で、地域住民のニーズに基づいた柔軟な対応が求められることが明確になった。