伊那市では9月6日、定例市議会が催され、多岐にわたる問題が討議された。この中で、自衛隊への個人情報提供について市民からの強い反発があった。
自衛隊募集のために市が18歳から22歳までの住民基本台帳情報を提供していることに懸念が示され、「プライバシー権の侵害」との指摘もあった。市長はこの件に関して、提供は法律に基づくものであるとしつつ、今後の政策について検討すると語った。
また、不登校の問題でも議論が交わされ、令和4年度に伊那市の不登校生は増加傾向にあり、その支援方法の見直しが求められた。この点について、教育長は学校内に中間教室を設置し、個々の生徒に寄り添った支援を強調した。
伊那市誌編さん事業も最新の進捗が報告された。市長は市誌編さんを通じて市民の関心を高め、地域に愛着を持ってもらう重要性を再確認した。これに伴い、今後予定されている全19冊の刊行についても、引き続き市民の協力を仰ぎながら進める意向を示した。
一方で猫の管理や野良猫問題も議題に挙げられ、野良猫の増加が地域住民に深刻なトラブルをもたらしている現状が報告された。市は監視体制を強化し、地域猫活動を推進していく方針をも明示した。さらに、リチウムイオン電池の回収について、発火事故が多発する中、その回収方法の見直しと普及啓発が急務であると指摘された。
最後に、農業支援に関しては、特に小規模農家への支援についての重要性が強調され、農地の保護や維持に向けた具体的な施策の強化が求められた。市長は地域の多様性を尊重しながら農業経営を支援する考えを示し、市民とともに歩む農業の発展を約束した。