令和4年6月に開催された伊那市議会全員協議会では、市街地デジタルタクシーをはじめとする重要な議題が扱われた。
この新たな交通サービスは、高齢者などの移動の確保を目指すもので、地域のニーズに応える形で導入される。市の企画部長、飯島智氏によると、このサービスは「ぐるっとタクシー」と同様の利用感覚を提供しつつも、民間の運行事業者の負担を軽減することを目指す。この「デジタルタクシー」は市街地限定のため、利用対象者や料金体系は既存のタクシーサービスと異なる点がある。
次に注目されたのは、メタバースを活用した伊那MRスクエアについてである。飯島氏は「インターネット上の共有型仮想空間を通じ、フレキシブルな交流体験を提供する」と語った。これにより、若者や新しい移住者を伊那市に誘引する新しい試みが進められる。具体的には、ユーザーはアバターを通じて自由に他者との交流が可能な体験型プラットフォームが構築され、伊那市の魅力が広く発信される予定だ。
さらに、新型コロナウイルスワクチン接種状況についても詳しく説明が行われ、現在の接種率は県内平均を上回る81.9%であることが報告された。食品衛生の専門家である高橋姿氏は、接種の重要性について強調し、より多くの市民が接種を受けるよう呼びかけた。ワクチン接種の促進策として、情報提供や接種券発送などが予定されている。
他にも市営住宅若宮団地の若者・子育て向け住宅建設が進められており、建設部長の伊藤徹氏が計画の詳細を説明した。予算は8億1,000万円で、エレベーターや太陽光発電設備が整った集合住宅として、20世帯の入居を想定している。これにより、特に若者世代の移住・定住促進が期待されている。