伊那市の令和5年12月定例会では、通学路の安全確保や観光推進などの重要な議題が取り上げられた。また、フィンランド教育や地域おこし協力隊の活動に関連する質問が多く、これからの市政に向けた具体的な提案が行われた。
まず、通学路の安全確保に関する議題では、教育委員会から危険箇所172か所の対策進捗が報告された。合計で158か所の対策が行われ、全体の92%にあたる。しかし、残りの14か所については令和9年度末までの対策完了を目指す。特に、犬田切川近くの横断歩道の改良や、急勾配の自転車通学路への対策が優先事項として取り上げられた。一方で、春富中学校の生徒たちが参加した交通安全の取り組みや、国交省との協力も評価されている。
次に、観光推進についての話題も重要だった。市長は、上伊那地区や広域連携を強化し観光客誘致に取り組むことの必要性を強調した。特に、高山市との連携を通じた周遊ルートの整備は期待される。
フィンランド教育の視察結果を踏まえ、地域おこし協力隊がどのようにその理念を施策に取り入れていくかも話し合われた。市長と教育長はフィンランドの教育モデルを学びながら、子供たちが自発的に学べる環境作りに力を入れる意向を示した。これにより、保護者の関心も高まることを期待している。
自衛隊への個人情報提供に関する疑問も出され、特に除外申請制度の導入が求められた。市長は他市の事例を参考にしたうえで、できるだけ早く市民への周知を行う方針を示した。
最後に、伊那市は、現在の財政推計や将来の事業計画を基に必要な歳出削減や新たな財源確保を進めていく必要があることを強調した。特に、経常経費の抑制には継続的な見直しが不可欠であることが再確認された。この定例会での議論は、来年度の予算編成に向け、伊那市全体の施策に影響を与えるものと期待される。