令和元年12月4日に開催された伊那市議会定例会では、台風19号の影響が主な議題となった。
特に、今回の台風による避難指示が発令された地域の住民からは、避難指示の範囲について多くの疑問が寄せられている。上新田、下新田、境地区の住民は、どのような基準で避難指示が出されたのかを知りたがっている。市長は、避難指示は河川の水位と放流量の情報を元に出されたと説明し、安全確保のための早期判断が重要であると強調した。
また、農業用水路の流末を閉じることで内水氾濫の危険があることに対して、市長は消防や土木職員が状況を把握し、迅速に対応する必要があると述べた。さらに、三峰川の水位が異常に上昇した場合には、避難指示の範囲を広げることも検討されるべきである。
今後は、災害時のより明確な指示や地域住民への情報提供も必要であるという意見が出た。市が管理する避難所である公民館や学校では、利用者に対する配慮が求められ、市民の安心を得るための策が急務である。特に、屋外での駐車スペースの確保などの具体的な対応が必要である。
一方で、伊那市の防災マップの改訂も必要であるという意見もあり、今後の河川のデータや内水氾濫の情報をマップに反映させることが必要とされている。市長は、基準に基づく避難指示が市民の理解を得られなくなる恐れがあるため、より詳細な情報を市民に届ける重要性を認識している。
また、地域住民からは合格祈願に関する問題、学校による宗教活動への関与なども取り上げられた。その一環で、地域の神社へ合格祈願に連れていく取り組みが行われていたが、教育委員会は宗教的な活動に関与しない立場をとり、今後の対応についても慎重に検討する姿勢を示している。