令和4年12月7日、伊那市議会定例会が開催され、市の防災対策やジビエの利用促進など、さまざまな課題が議論された。特に注目を集めたのは、シカの捕獲とその利活用についての取り組みであった。
市長は、ニホンジカの生息域が拡大している現在、捕獲数を減らさず、積極的に対策を進める必要があると述べた。今回は、伊那市内での捕獲頭数は約1,600頭を計画しており、その中で地域で発生する流木を利用したバイオマス発電の方針を示した。この取り組みは、流木の有効活用だけでなく、同時に地域防災の一環ともなるため、重要性が増している。
さらに、これまで処理施設が不足し、ある自治体では打開策として流木をドッグフードへと持ち込む提案にも言及した。市は、この流木を燃料として利用する道が開かれ、広域的な連携を図ることが期待される。
教育分野でも積極的な取り組みが見られる。「伊那市中学生キャリアフェス2022」では、地元企業とのつながりを重視した体験学習が行われた。市長は、このイベントが地域を知るきっかけとなり、将来の進路に影響を与える意義を強調した。特に地域の企業と学校との連携が進んでおり、次世代の人材育成に資することが期待される。また、教員や地域住民との連携強化を通じ、さらに地域の宝である子供たちを育てていきたいと述べた。
最後に、流木の活用やジビエなど、環境問題への取り組みや防災意識の向上についても話題に上がった。自然と共生し、地域を支える新たな取り組みが求められ続けている。伊那市は、地域資源を有効活用した持続可能な社会の実現を目指すとともに、住民1人1人の防災意識を高めていくことの重要性を再確認した。