令和4年の伊那市議会定例会では、地域の人口減少や可燃ごみの増加、医療サービス向上など多岐にわたる議題が討議された。
特に、人口減少に関しては、市民の結婚や出産を支援するための施策が重要視されている。市長の白鳥孝氏は、出生数の改善を目指して「いな住まいる補助金」を新設し、結婚相談所の設置を行ったことを明らかにした。これにより、2024年の人口目標である6万4,700人の達成が期待されている。
また、可燃ごみの増加に伴い、家庭系のごみ処理対策が話題に上った。市長は、リサイクル及び分別が不十分であることが原因とし、引き続き市民に分類の徹底を呼びかけている。現在、家庭から出る可燃ごみの約27%が食料品の残りであり、今後は啓発活動を強化していく方針である。
さらに、「ぐるっとタクシー」や「デジタルタクシー」についても議論が繰り広げられた。市民の移動支援を目的に設けられたこれらのサービスは、高齢者や障害者を主な対象としており、高校生のための特例利用については現段階では難しいとの回答があった。市長は、サービスが本来の目的を果たせるよう、運用方法の見直しを進める意向を示した。
その他、妊産婦や育児支援のための伴走型相談支援の強化、がん患者への医療用ウイッグ補助制度の新設など、今後の施策についての強化策が議題に上がった。特に、出産・子育てをサポートするための新たな経済支援策を検討するとしており、これは市民からの期待が高まっている。
全体を通じて、大切なのは地域住民の声を聴き、実情に基づいた施策を推進することである。市は市民との信頼関係を基盤に、今後も持続可能な地域づくりを目指すとともに、具体的な施策を実行する姿勢を見せている。