令和3年6月25日に行われた伊那市議会全員協議会では、様々な重要な議題が取り上げられた。
市長の白鳥孝氏は会議の冒頭で、特に新型コロナウイルスに関連するワクチン接種状況の進捗に言及した。伊那市では、65歳以上の高齢者へのワクチン接種が進んでおり、接種の順調な進展を報告した。具体的には、1回目接種者数は14,990人で接種率が62.5%、2回目は6,831人で28.5%に達しているとされる。接種にあたっては、医師会の協力も受けており、現段階では十分なワクチン量が確保されているとのこと。これについて松澤浩一保健福祉部長は、「現時点ではワクチンの供給不足を懸念する必要はない」と述べ、今後の見通しに自信を示した。
また、参加者は新たに整備が進む観光案内拠点「高遠城下町観光案内所」の設置についても議論した。竹村和弘商工観光部長によると、旧高遠支所の土地と建物を購入し、さらに7月末までには工事を完了させる計画が進められています。新拠点は、訪れる観光客に対して更なる利便性を提供するために、休日の観光案内体制を強化することを目指しているという。これに関しては、利用者数を増やし、地域経済の活性化に寄与することが期待される。
さらに、議題には「伊那市過疎地域持続的発展計画の策定について」も含まれ、担当の飯島智企画部長が現在の過疎法の状況と今後の計画について説明した。過疎地域の持続可能な発展を目指し、新たな計画を前期と後期の5年ごとに分けて策定する方針が示された。特に、移住・定住の促進や人材育成などの重点分野を強化することが重要視されている。
アジェンダの中でも特に注目されたのは、AR高遠探訪「イーナクエスト」の導入に関する取り組みである。これは、スマートフォンを通じて高遠の文化や歴史を楽しめる体験が提供されるもので、地域の文化財に新たな視点を付与し、交流人口を増加させることに貢献する。ただ、対象スポットは10か所を巡り、ポイントを獲得する仕組みとなっている。飯島部長は「特に、地域の協賛店での割引サービスなども展開しており、商業的な利益も狙っている」と強調した。
最後に、2021年度の伊那市成人式の情報提供もあり、この成人式は例年通りの形式で実施される予定が述べられた。新型コロナウイルスの影響により、感染防止策が講じられる中での開催が重要視されている。成人にとって忘れられぬ思い出になるよう、準備が進められている。松澤部長が、「参加者の健康を最優先に考えており、万全の対策を講じる」とコメントした。
全体として、議会では地域の持続可能な発展や観光促進、新型コロナウイルスの対策に関する重要な話が展開され、特に市民の理解と協力が強調される場ともなった。