令和4年9月8日、伊那市議会の定例会が開催され、議員たちは様々な行政問題に関する質問を行った。特に、移住・定住施策や人口減少対策、また自然環境の保全に関するトンボの楽園整備事業について活発な意見が交わされた。
最初の質問として、田畑正敏議員は移住・定住施策の充実が重要であると強調した。特に近年の東京一極集中の鈍化を背景に、長野県への移住希望者が増加していると指摘した。信州暮らし推進課の見解を引き合いに出し、伊那市における定住者の支援が地域活性化に寄与することを訴えた。白鳥孝市長は、令和4年4月の人口社会動態を報告し、転入者2,163人に対し、転出者2,334人と説明した。転出超過171人という結果を踏まえ、地域の魅力向上に努める必要性を訴えた。
さらに、田畑議員は移住希望者のための支援サイト「SMOUT」の運用状況についても言及。伊那市が全国的に注目を集めたことを評価し、オンラインでの情報発信が功を奏していると述べた。市長は、移住体験ツアーの重要性を認識し、さらなる施策を講じる意向を示した。
次に、蓬田議員はトンボの楽園保全事業について取り上げた。この地域がハッチョウトンボ生息地として知られ、観察会も開催される中やはり環境整備が求められると指摘した。白鳥市長は、地域の活動を支援し、行政としても協力していく姿勢を表明した。
一方、市営住宅建設についても議論が行われ、唐木拓議員は、資金をかけて市営住宅の新設を進める必要性について懸念を示した。現在の賃貸市場において家庭向けの需要が直面する問題を取り上げ、民間の賃貸住宅への補助制度を提案した。白鳥市長は、地域のニーズにしっかり耳を傾けてより良い施策を講じていくことを約束した。
また、情報化により経済活動が変化している中、企業がその変化にどう対応しているかも追及された。経済的な支援策の継続が必須であると、多くの議員が訴えており、伊那市の今後の動向が期待される。市長は、現状を踏まえた適切な支援の在り方、特に農業や林業に関連する問題への関与を強化していく意向を示した。