令和2年9月18日に開催された伊那市議会全員協議会では、様々な報告事項が議題に上がった。特に注目を集めたのは「モバイルクリニック事業」だ。
この事業は、通院が困難な市民に自宅で医療サービスを提供することを目的とした施策であると、企画部長の飯島智氏が説明した。
提案された新たな仕組みにより、専用の医療車両が患者の元へと出向き、医療機関の医師と連携しながらオンライン診療を実施。さらに、対面による服薬指導が緩和され、薬剤師と連携して調剤薬の配送も計画している。
このサービスは、高齢者や障がい者などの医療弱者に特に恩恵をもたらすことが期待される。しかし、現状では慢性的な医師不足や医療機関の偏在、訪問診療を行う看護師の不足が課題として残る。
飯島氏は、患者・医師双方にとって通院や待ち時間が大幅に削減できることを強調した。また、現在は14人の患者が実際にこのモバイルクリニックを利用しているとのことだ。
続いて「上伊那クリーンセンターにおける環境保全協定値超過」についての報告があった。市民生活部長の伊藤博徳氏は、上伊那クリーンセンターで実施された排ガスの定期測定において、協定値を超過したことを報告。
この問題について、伊藤氏は原因を特定し、再発防止策を講じることを述べつつ、さらなる環境保全の取り組みについて議会の協力を求めた。
加えて「伊那中央衛生センター施設整備基礎調査及び負担割合の改正」や「新山保育園建て替え」、「市営住宅若宮団地A棟建設事業概要」など、地域において有意義な公共施策についての報告も続いた。
特に新山保育園の建て替え計画は、地域の子育て支援に寄与し、利便性を高めることが予想される。また、西春近公民館の改築についても進捗が上がり、地域における公民館機能の強化が期待されている。
最後に、伊那市再生可能エネルギー発電設備の設置に関するガイドラインの改正についても言及があり、持続可能な地域社会の実現へ向けた取り組みが施行されたことが報告された。