令和5年6月8日、門川町議会において第2回定例会が開催された。議会では、多様なテーマに関する一般質問が行われ、特に移動困難者や高齢者への支援策が注目された。
中でも、黒田耕右議員が提起した加齢性難聴者への補聴器購入代の補助についての質問は、議会内で活発な議論を呼んだ。町長の山室浩二氏は、加齢性難聴の実態把握は重要だが、現状では身体障害者手帳を持つ者への補助が中心であり、非該当者は助成の対象外であると説明した。
また、町内には84名の聴覚障害手帳保持者がいることを明らかにし、令和4年度にはこれらの方々に対して67万310円の補助金が支給されたと述べた。黒田議員は、特に高齢者におけるコミュニケーションの重要性と、補聴器の購入が経済的に負担であることを指摘し、門川町独自の補助制度の必要性を強調した。
現在の門川町では、移動困難者を支援するために乗り合いタクシーを運行しているが、利用者から使い勝手が悪いとの意見が寄せられている。町長はこの点を認識し、今後の改善策として近隣市町の例を参考にしていく考えを示した。
さらに、公共交通の利便性向上を図るため、タクシー券の発行も検討課題であり、今後の地域公共交通会議で協議を進めることを発表した。市民のニーズに合わせた交通サポートが必要であることが再認識された。
全体を通して、町民が安心して生活し、交流できる環境づくりが求められている。今後、補聴器の補助や交通アクセス改善に向けた具体的な施策が進められることが期待されている。