令和3年6月10日、門川町議会が開催され、議員たちは重要な質問を通じて住民の安全や生活への影響について議論した。特に焦点が当たったのは、今後予想される南海トラフ巨大地震とそれに対する防災対策であった。
最初の質問では、広瀬拓也議員が防災について取り上げ、新庁舎が建設されたことを踏まえ、具体的な防災策を町長に問いかけた。広瀬議員は、県防災庁舎で行われた会議を引き合いに出し、日向灘沖の地震が発生した場合の津波到達時間やその影響を主張した。特に本町が最短12分で津波に襲われる可能性があることに危機感を示し、避難タワーの建設や一時避難場所の整備状況に関する質問を行った。
これに対し、安田修町長は、避難タワー建設の必要性について、まずは地域の実情に応じた計画を進める必要があると述べた。さらに、津波到達時間を基にした避難行動の重要性を強調し、住民がどれだけ早く避難行動を取れるかが大変重要であるとした。具体的な避難ルートや避難場所の整備についても一層の情報提供を約束した。
また、山岡節夫議員は新型コロナウイルスワクチン接種に関して質問を行い、特に高齢者の接種予約についての混乱や苦情に触れた。町長は、ワクチン接種の進捗や予約手続きの改善を図っていることを強調し、それに対する町の対応についても説明した。特に、耳の不自由な方への予約方法について、社会福祉協議会を介したサポートの取り組みを述べた。
さらに、岩佐祐一議員は、加草・中村線に関する長期計画についての進捗を尋ね、道路整備の必要性や課題について触れた。町長は、加草・中村線の整備について、日豊本線との交差問題に関する協議が進められていることを改めて説明し、今後の整備推進を明言した。
総じて、議会での議論は住民の安全を第一に、具体的な施策と地域のニーズを調整しながら進められていることが強調された。特に各議員は防災対策や新型コロナウイルスへの対応についてその重要性を訴え、町の施策や取り組みへの期待を寄せた。今後もこれらの議論を通じて門川町が一層住みやすく、安全な町であり続けることが期待される。