いの町議会は、令和元年第3回定例会を開催し、町長や議員による活発な一般質問が行われた。この中で森田千鶴子議員は、町長の政治姿勢について質疑を行い、特に平成30年度の決算について詳細な説明を求めた。
森田議員は、具体的な数値に基づき町長に対し、平成30年度の一般会計決算、特に収入と支出のバランスについて指摘した。町長である池田牧子氏は、平成30年度の一般会計決算額は139億6,935万円、歳出額は135億7,802万円で、実質収支額が2億859万5,000円の黒字であることを報告し、前年よりも収支が増えていることを強調した。
さらに森田議員は、財政運営に関する厳しい視点を持ち、経常収支比率が96%に達したことから、今後の財政健全化に向けた施策の見直しを求めた。町長は、経常収支比率の増加は主に普通交付税や臨時財政対策債の減額が影響していると認め、今後は財政健全化に向けた取り組みを進めると述べた。
公正・公平な行政を目指す中で、森田議員は住民の意見を聴く姿勢が重要であることを強調した。町長は地域の声を直接聞くため、地域住民との対話を重視し、町政懇談会を通じて町民の意見を聞く取り組みを進めていると説明した。
さらに、官から民への福祉サービス向上についての話題では、森田議員が公共サービスの民営化によって住民の福祉が損なわれるのではないかと警鐘を鳴らし、町長は民営化には行政の役割が欠かせないと考えていることを述べた。このように、委員会では老後の不安や福祉の充実についても意見が交わされ、特に介護保険事業においては、高齢化が進む中での介護施設の不足症状に今後どう対処していくかの議論がなされた。
最後に、産業振興のための自伐型林業についての質問があり、町長は地域経済の活性化に向けて自伐型林業の推進を図ることが今後の重要な政策になるとの考えを示した。議会では、これらの問題に対し、町としての具体的な対策を打ち出すよう提案する声が相次ぎ、議員たちは住民の安全・安心な生活を守るために全力を尽くす旨を誓った。
これらの議論を通じ、いの町では地方自治体として持続可能な施策が求められ、住民の声を大切にしながら地域の活性化につながる施策を推進していく姿勢が改めて確認された。