いの町議会では、令和5年第1回定例会が開催され、デジタルトランスフォーメーション(DX)や少子化対策について様々な意見が交わされた。特に、デジタル化の必要性や懸念が取り上げられ、活発な議論が展開された。
10番の山本荘一郎議員は、「通告主題として町民のためのデジタル化を掲げ、デジタルトランスフォーメーションに対する懸念を示した。特に、人口減少が進む現状下、経済安保推進法との関わりで国民監視や選別、排除につながる懸念を挙げつつ、デジタル化が自治体の将来像にも影響を与えるとした。
また、山本議員は、政府の進める政策が果たして地域活性化や子育て支援につながるのか、具体的な手法が見えないと指摘した。さらに、労働集約型の産業を省力化するための対策や、魅力ある地域をどのように作り上げるのかについても具体的な質問を投げかけた。
町長の池田牧子氏は、これらの質問に対し、スマート農業の導入やサテライトオフィスの整備を通じて人の流れを生む取り組みを示した。また、育児に不安を持つ保護者のためにデジタル相談窓口の設置など、町の課題解決に向けた具体的な施策も進めると述べた。
次に取り上げられたのは、少子化問題に関する議論で、山本議員は、若年層の結婚や子育ての環境整備が不可欠とし、アナログからデジタルへとシフトする過程で、負担感の軽減や、安易な一時金支給による政策は効果が薄いと強調した。加えて、現行の支援策の見直しを求める意見も議会内で共有された。
今回の定例会では、意見書として、森林・林業基本計画の推進を求めるものや、畜産危機及び物価の高騰に見合った生活保護の基準引き上げを求める内容が提案され、全ての議案が原案通り可決された。