令和2年11月17日、肝付町議会臨時会が開催された。議題の中心には、肝付町立学校の設置及び管理に関する条例の一部改正があり、地域の教育環境の改善を図った。
町長の永野和行氏は、今回の改正により岸良地区での義務教育学校の設置を推進すると述べた。新設される義務教育学校は、岸良小学校、岸良中学校を統合し、9年間一貫した教育を提供することを目的としている。これにより地域の約900人の児童・生徒がより充実した教育を受けることが期待される。
この問題については議員の間でも賛否が分かれた。進藤鈴子議員は、地域住民に対する説明不足を指摘し、住民が新しい制度に対して十分に理解していないまま進むことに懸念を示した。さらに、地域住民の声を真摯に受け止める必要があるとの見解を示した。
これには町長も同意し、住民との協議を重視する方針を再確認した。また、この改正を行うことで学校の存続を図る方策の一環でもあると強調した。
教育関係者からは「義務教育学校の設置に関しては賛成だが、地域との結びつきを強化する努力が必要」との意見があり、校名変更や校章、新校歌の作成にも地域住民の参加を求める意見が上がった。実際、進藤議員は美術学校を目指す地域の生徒に対する作品募集の提案を行い、地域の声を反映した学校づくりを促進したい意向を示した。
また、本議会においては令和2年度肝付町一般会計補正予算についても審議された。歳入歳出予算の総額139億7,680万円を詳しく説明し、義務教育学校設置に必要な費用が計上されたことも報告された。この補正予算には文化センター関連の設備改修費用も含まれており、地域のインフラ整備に向けた取り組みが伺える。
結局、議案は討論の後、賛成多数で可決され、肝付町の教育環境の一新へと繋がる重要な一歩が踏み出された。地域との連携や説明責任が今後の課題として浮き彫りになった瞬間でもあった。