令和5年3月16日、肝付町の第1回定例会が開催された。
町議会では多くの議案が議論されたが、特に注目されたのは施政方針と農業振興策についての討論だ。農業振興策に関しては、富永洋一議員が施政方針について「農産物の質への転換が必要」と指摘し、具体的な政策の進捗を求めた。これに対し、永野和行町長は「米販売の多様化を進めている」と強調した。
議論はさらに、農業の質向上に向けた水田政策や売れる米作りについて深まった。富永議員は「水田の利活用」や「おいしい米作り研究会」の成果を述べ、それによるアンケートの結果を示し、地域の農業振興に向けた意見交換を進めた。特に、おいしい米作りに関しては、会員11名中3名が食味値80点以上を達成したことが発表され、注目を集めた。
次に、松元健作議員は学校給食の無償化について質問した。町全体の小中学生数は985名で、給食費が年間4万2,900円から4万9,500円に達する中、物価高騰の影響が懸念されている。町長は「無償化について前向きに検討する」との意向を示した。
恒吉智彦議員は、廃校施設の活用について尋ね、地域プロジェクトマネジャーによる取り組みが進展していると述べた。具体的には、無農薬植物を活用したクラフトシロップの事業が企画されているという。
地域商社の設立に関して、町長は「令和6年度中の設立を目指す」と発表し、地域産品のブランド化を進める意義を強調した。これにより、町内外の活性化につながることが期待されている。また、ふるさと納税の活用についても具体的なヒントが示され、今後の財政健全化に向けた施策として注目されている。
全体を通して、肝付町議会では子育てや過疎化対策など、地域の課題解決に向けた議論が活発に行われた。施政方針に基づく施策の実現に期待が寄せられる。