令和6年9月17日、金沢市の定例月議会が開かれ、重要な議案が数多く上程され、審議が行われた。
特に注目されたのは、議案第23号の令和6年度金沢市一般会計補正予算(第2号)だ。これは主に企業立地促進に関する支援が含まれている。日本共産党市議員団を代表する広田美代議員は、反対討論を行い、「本予算は特定の大手企業に利便を図るもので、地域経済を支える中小企業への支援を強化すべきです」と述べた。
また、議案第30号の金沢市国民健康保険条例の一部改正についても勉強が求められた。この改正により、マイナ保険証の導入が進められることが懸念され、保険証廃止に対して国民からの不安な声が多いことが指摘された。広田議員はその一環として、「新しい制度への理解と合意は得られていない」と強調した。
議案第11号では、北陸新幹線の大阪までの早期全線整備を求める決議が提案され、多くの議員がその必要性を訴えた。野本正人議員は、「この新幹線は災害に強い国土をつくるために不可欠であり、その効果は全線開業によって最大限発揮される」と述べた。これに対し、日本共産党の森尾嘉昭議員は、「莫大な建設費と環境への影響を考慮すべき」と反対の立場を取った。
また、喜成清恵議員に対する辞職勧告決議が上程され、過去の酒気帯び運転事件の影響の重大さについて意見が交わされた。辞職勧告を求める提案者の小間井大祐議員は、「市議員としての倫理観を欠いた行動が、議会の名誉を損なうものだ」と厳しく批判した。
最後に、小間井議員が提案した、精神障害者への医療費助成制度の拡充についての請願も採択された。市民福祉に配慮した内容であり、精神障害者保健福祉手帳2級所持者への支援が更に強化されることが期待されている。