金沢市の令和6年6月定例月議会が開催された。議会では、消防局職員の酒気帯び運転に関する事件が報告され、村山卓市長は市政に対する信頼の失墜を深くお詫びした。
議論の焦点の一つは、文化を基軸としたまちづくりの進展であり、宇夛裕基議員は「金沢市の都市像「未来を拓く世界の共創文化都市」を実現するための施策は住民福祉の向上に寄与する」と述べた。この施策には、文化芸術活動の促進が含まれており、市民の文化理解を深める必要性が指摘された。
さらに、歴史的円安が市政に与える影響についても議論された。特に、観光産業において、訪日外国人が増加しているのに対し、消費は低迷している現状が懸念された。宇夛議員は、政策の見直しを提言し、観光消費の拡大に向けた具体的な施策を求めた。
また、令和6年能登半島地震による影響で、多くの木造住宅が被害を受けた。議員は耐震化の必要性とともに、耐震性の向上に向けた補助制度の見直しを求めた。村山市長は既存制度の有効性を認識しつつ、改善の必要性を強調した。
地域活動に関する議論も行われた。特に、金沢ボランティア大学校の意義について、地域貢献が重要視された。修了生の社会参加を促進するための施策の強化が求められた。
健康都市連合への加盟が認められたことも報告された。村山市長は人々の健康を守る取り組みを進め、市民の健康づくりが重要であると強調した。
議会の最後には、金沢市が消防団や民生委員との連携を強化し、地域住民の安全・安心を確保していく決意が表明された。市長は「地域の実情に応じた柔軟な対応をし、地域防災力の向上に努めていく」と語り、今後の課題解決に向けた意欲を示した。