令和4年1月13日、金沢市議会は緊急議会を開き、令和3年度金沢市一般会計及び下水道事業特別会計の補正予算を審議した。議会では、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急の施策が中心に話し合われ、特に感染防止対策の強化策が重点的に取り上げられた。
市長の山野之義氏は提案理由の中で、国の補正予算に基づき、感染症対策の経費が必要であると指摘。特に、医療機関及び福祉施設でのクラスター防止策が強調された。また、療養型病院等に勤務する従事者を対象とする定期的なPCR検査を実施することを発表し、その必要性を訴えた。具体的には、検査は2023年1月4日から2月28日まで、2週間ごとに実施し、約1500人の従事者が対象になる予定という。
一方で、電話相談体制の強化に関しても言及され、感染が急増する中で、迅速に対応できる体制が求められる。そのために、電話相談を民間機関に委託する方針だと述べた。電話相談が必要になる状況において、相談者の早急な発見が重要である。
さらに、今回の補正予算には、市民生活を支援するための施策も盛り込まれた。住民税非課税世帯を対象とした給付金案では、収入が減少した世帯への支援を目的としており、給付の手続きの簡素化が重要視されている。市長は、給付金を早急に支給できるよう、準備を進めていると強調した。また、多子世帯への特別給付金の導入が市の独自施策として進められており、特に子育て世帯の負担を軽減する意義があると述べた。
地域経済への支援策としては、「五感にごちそう金沢宿泊キャンペーン」が企画されており、全国的な宿泊需要の喚起を目指すと発表された。しかし、感染状況の変化に応じて、プランの見直しも行う必要があることが示され、慎重な管理が求められる。
山野市長は今回の補正予算について、「感染防止策の強化、経済の支援を通して、地域社会の安定と市民の安全を守っていきたい」と述べ、事業者への支援を迅速に実施する意欲を表明した。議会では、追加予算が全会一致で承認され、感染拡大防止策を含む各種医療・福祉施策が取り進められる見通しである。