古河市議会の令和2年第3回定例会が9月16日に開催され、様々なテーマが議論された。
特に市民の安全と危機管理について、多くの質問が行われた。議員の増田悟氏が利根川の堤防工事の進捗について尋ね、「利根川左岸の築堤工事は着実に進行しているか」と指摘した。これに対し、針谷市長は「過去4年間で堤防強化工事は約600メートル進んだ」と述べ、工事の継続を国に要望すると強調した。
さらに、増田議員は「堤防工事が完了しないと市民の不安は解消されない」と語り、具体的な工事完了時期について市長に答弁を求めた。市長は「工事は計画通り進んでおり、引き続き国に対して要望していく」と回答した。
また、古河消防署の建設に関しても厳しい意見が寄せられた。増田議員は駅西口地区からの消防署移転計画を批判し、「なぜ自宅に近い場所への変更が行われたのか」と問うた。この菅谷市長時代における決定に対して市長は、「当初の計画地との差異については地権者との合意形成が難しかった」と説明した。
消防団員の確保についても言及があった。実際、古河市の消防団員数は現在55名の欠員を抱えており、増田議員は「家族手当の廃止は団員確保に悪影響を及ぼす」と指摘した。この点に関し、市長は「公平な支給基準に従っており、団員の活動支援を優先する」と述べた。また、消防団員の意識向上のため、最近行った隊員の表彰イベントが話題になり、全国大会の成果を称える場を設ける必要があるとの意見が出た。
市の「華のある古河市づくり」に関しては、特に十間通りの花壇についての質問が増田議員からなされ、「花壇が荒れている」との指摘があった。市長は「市民との協働による維持管理を強化し、今後のボランティア募集も積極的に行っていきたい」と述べ、改善の意欲を示した。
最後に、全体的に市民の安全意識の強化が求められる中で、市長は災害時の避難所運営や分散避難における実施体制についても言及し、今後の施策に期待が寄せられた。議会終了後、市民の反応も注視しつつ、継続的な改善に向けた取り組みが求められる。