令和5年12月7日、筑西市議会定例会が開かれ、一般質問が行われた。議員が指摘したのは、耕作放棄地と遊休農地の増加に関する問題である。筑西市内では、令和5年3月31日現在で2,561棟の空き家が確認されており、相談件数は年々増加している。これに対し、市側は農業委員会や農地利用最適化推進委員によるパトロールを実施し、適正管理を促している。
特に遊休農地について、農業従事者が減少していることが背景にある。つまり、2010年には1万270人いた農業従事者が、2020年には約半数にまで減少している状況だ。地方の現実として、高齢化や後継者不足が影響を及ぼし、効率的かつ安定的な農業を持続していくためには、エリア全体の戦略が必要である。市は現在、農業経営基盤強化促進法の改正を受けて、地域計画を策定する準備を進めている。これは地域の実情に合わせた生産性向上を目指すもので、担い手の育成や農地の集約化に寄与する可能性がある。
今後の主な施策には、農地中間管理機構との連携や、農業者を対象とした研修が考えられている。また、新たな取組として、農福連携を進め、障害者の就労支援を行いながら、農業分野での労働力確保を図る方向も示された。
次に、空き家問題についても議論があり、筑西市では空き家対策として国や自治体の政策に協力する努力義務を強化する改正が施行される。この法改正では、特定空き家の管理責任を所有者に求め、地域活性化を目指す施策に変更される。市は、その実施に向けて広報活動や専門相談窓口の設置を実施しており、所有者の理解を促進する。
さらに、奨学金返還支援制度の創設については、現在具体的な検討を進めていることが報告された。これは、筑西市へUIJターンを促し、地域の若者誘致を図る施策に位置付けられている。これら一連の質疑を通じて、筑西市は地域の農業及び移住促進に取り組む姿勢を改めて強調し、より良い地域づくりを目指していく方針を示した。