令和2年1月30日に開かれた第88回加東市議会臨時会では、令和元年度加東市一般会計補正予算(第5号)の議案が審議された。
市長の安田正義氏は冒頭、新型コロナウイルス感染症の影響に触れつつも、本議会で議論される補正予算は市政にとって重要であると強調した。また、今回の補正予算の目的は、ふるさと納税の増加見込みによる推進事業委託料の増、法人市民税申告に伴う市税還付金、東条地域小中一貫校整備にかかる債務負担行為の見直しである。
教育長の藤本謙造氏は、東条地域小中一貫校の開校に向けた近年の進捗状況を報告した。藤本氏は、「昨年5月に実施した入札が不調に終わった要因は資材価格の高騰である」と述べた。特に、コンクリートや鉄筋製品の価格上昇が大きな問題であり、設計の見直しが不可欠であった。
また、総務財政部長の堀内千稔氏は、補正予算の具体的な数字について説明を行った。今回の補正では、歳入歳出予算の総額にそれぞれ4,121万9,000円が追加され、補正後の総額は194億7,067万1,000円に達する。付け加えて、東条地域小中一貫校建設に関連する債務負担行為の限度額を49億2,650万円に引き上げる必要性があると報告された。
議員からは、資材や労務費の高騰による影響についての疑念が表明された。特に北原豊議員は、学校建設のための資材不足とコストの上昇が問題であり、過去に挙げた「小中一貫校は失敗である」との他自治体の意見を引き合いに出し、慎重な審議を求めた。
別府みどり議員からは、財政面における影響の確認を求めた。堀内総務財政部長は、東条地域の小中一貫校建設に伴う財政計画について説明し、実質公債費比率は平常値を超えないため、急激な悪化はないと強調したが、計画の予見可能性には疑問が呈された。
最終的に、議会では60時間以上の議論を経て補正予算は原案通り可決される。この決定には多くの意見が含まれ、特に教育環境の充実を求める声が高まっていた。今後の進捗に注目が集まる。