令和5年第124回定例会が開催され、多可町が2025年に予定される大阪・関西万博に向けた地域活性化策を本格的に発表した。町長の吉田一四氏は、関西万博に向けた施策として、地域の魅力を発信するためのさまざまな取り組みを強調した。
特にフィールドパビリオン認定を受けた多可町の体験型プログラムは、その内容の充実が期待される。プログラムの中には、播州織の産地巡り、杉原紙の手すき体験、播州歌舞伎の特別公演など、多可町ならではの文化と伝統を学ぶことができる企画が含まれており、多くの人々に多可町を訪れる機会を提供する。また、今後の取り組みの一環として、インスタグラムの活用や地域活性化推進協議会の設立により、市民参加型のプロモーションが進められる。
万博を機会に地域内の観光資源を巡る周遊コースや体験メニューの開発も行われ、特にバスツアーとしての実施が計画されている。西脇市や加東市との連携を強化し、共同でツアーを企画することで、観光客の受け入れ体制を整える。これにより、万博期間中に訪れる多くの観光客に対して地域の魅力を訴求する狙いがある。
さらに、フレイル予防に対しても積極的に取り組んでおり、健康まちづくりの一環として元気あっぷ広場の運営に力を入れている。地域の高齢者の健康維持を図るために、体操や様々な健康プログラムが提供されており、これによりフレイル進行を防ぐことが期待されている。高齢者のためのオーラルフレイル対策として、栄養や口腔ケアに対する講座も実施されている。
死亡時の事務手続きの簡素化についても課題が取り上げられた。多くの手続きが必要であるため、ご遺族の負担軽減を図るための「おくやみハンドブック」の作成が進められている。これにより、住民がスムーズに手続きを行えるようなサポート体制が整えられる予定である。関連して、マイナンバーカードを活用した申請書類の簡略化についても検討が進められており、行政手続きのデジタル化の推進に期待が寄せられている。
さらに、育児休業取得の推進策においては、目標として男性職員の育休取得率を全国平均の85%に引き上げることを目指し、地域内の企業との連携を深め、育休取得を優遇する制度の周知を図っていく方針である。